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【自作再訪】渡辺保さん「女形の運命」 近代を生きる日本人の心 八ツ橋で歌右衛門が見せた花道での「笑い」に吸い付けられて

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【自作再訪】
渡辺保さん「女形の運命」 近代を生きる日本人の心 八ツ橋で歌右衛門が見せた花道での「笑い」に吸い付けられて

「昨日考えた芸という概念が、いい舞台を見れば、明日はもっと別な形になっていく。芸は奥深い」と話す渡辺保さん(酒巻俊介撮影) 「昨日考えた芸という概念が、いい舞台を見れば、明日はもっと別な形になっていく。芸は奥深い」と話す渡辺保さん(酒巻俊介撮影)

 歌舞伎は演劇の片隅にある非常に小さなパイだと思うかもしれない。しかし、シェークスピアが言うとおり、演劇は社会を映すもの。人間はどうやって老い、人生を全うすることができるのか、歌右衛門が照らし出しています。

 現在、ホームページで毎月の劇評を執筆しています。『娘道成寺』『江戸演劇史』などを書いたとき、江戸時代に刊行された「役者評判記」がとても役立ちました。僕も江戸時代の劇評家のように生きたい。

 芸というものは、観客の心にしか残らない。役者が死んで、私が死ねば終わりです。その記録をせめて文字で残したい。100年後のために、劇評は必要だと信じて書き続けています。

                   

【プロフィル】渡辺保

 わたなべ・たもつ 昭和11年、東京生まれ。慶応大経済学部卒業後、東宝入社。東宝演劇部企画室を経て、40年に『歌舞伎に女優を』で評論家デビュー。49年『女形の運命』で芸術選奨文部大臣新人賞。『娘道成寺』(読売文学賞)、『忠臣蔵』(平林たい子文学賞)、『四代目市川団十郎』(芸術選奨文部大臣賞)など著書多数。平成12年、紫綬褒章。日本芸術院会員。

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