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【書評】『牛天神 損料屋喜八郎始末控え』山本一力著

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【書評】
『牛天神 損料屋喜八郎始末控え』山本一力著

『牛天神 損料屋喜八郎始末控え』山本一力著 『牛天神 損料屋喜八郎始末控え』山本一力著

 不況の嵐が吹き荒れる江戸・寛政の世。巨大安売り店の進出に江戸の下町・深川の住民が団結して立ち向かう。情報戦と頭脳戦を仕切る主人公は、元同心で鍋釜や寝具を貸す損料屋の当主、喜八郎。相対する敵は、巨大市場の形成をもくろむ黒幕で、故あって深川を後にした男…。損得抜きで動く主人公らの心意気に触れ、読後はほっこりと体が温まる。

 表題作のほか、大店の放蕩(ほうとう)息子の身の振り方を決める「うしお汁」など5編を収録。人気時代小説シリーズの最新刊には、己の本分を知り、まっすぐ生きる処世の知恵が詰まっている。(文芸春秋・1700円+税)

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