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【地方で生きる】魅力を発信する(3) “鍵”は地道なコミュニケーション

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【地方で生きる】
魅力を発信する(3) “鍵”は地道なコミュニケーション

(パソナ提供) (パソナ提供)

 多くの自治体が農業の担い手の高齢化や後継者不足などの理由から、新規就農者確保の活動に取り組んでいます。

 高知県もそのような課題に直面する自治体の一つで、就農促進のためにユニークな試みを進めています。例えば、意欲ある就農希望者を“稼げる農家”にするため、研修拠点として「農業担い手育成センター」を開設しました。最先端の農業技術を伝授するだけでなく、近隣農家などとの交流を手厚く支援し、外から来た人が定着しやすくなるよう地域とのマッチングまでフォローしています。

 その真剣さは、「今回の移住がその人を幸福にしない」と判断される場合であれば、当人がいくら移住を切望したとしても断るケースがあるほどです。このように就農希望者に寄り添った二人三脚の支援を行っていることを、より多くの方に知ってもらうため、私たちがプロモーションを支援することになりました。

 高知県の取り組みを伝えるため、センターを運営する関係者の真摯(しんし)な姿を追いました。しかし、それだけでは不十分です。真の魅力を伝えるには、実際にセンターの支援を受けて就農した人たちの率直な気持ちを理解しなければなりません。東京から十数回にわたって訪問し、一人一人に直接面会して声を聞かせていただきました。そして、魂のこもったPRツールを完成させることができました。

 ときにはなかなか心を開いてもらえず戸惑うこともありましたが、丁寧なコミュニケーションを通じて得られる「信頼」があるからこそ、その真の魅力に迫ることができたのだと考えています。

 それぞれの地域ならではの慣習や文化、そこで暮らす人々の生活の多様性にはたくさんの魅力があります。それらを「よそ者」の立場で見て、聞き、魅力を発見し伝えていく。文字にすると「広報」という味気ない言葉になってしまいますが、地方の真の魅力を伝える一番の“鍵”は、地道なコミュニケーションにあると信じています。(地方創生 代表 近江淳)

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