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浅生鴨さんの小説「伴走者」、パラスポーツの陰の主役に焦点

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浅生鴨さんの小説「伴走者」、パラスポーツの陰の主役に焦点

「現実でもパラスポーツのブームはすぐに去るかもしれない」と話す浅生鴨さん。ペンネームは、口癖の「あ、そうかも」に由来するという 「現実でもパラスポーツのブームはすぐに去るかもしれない」と話す浅生鴨さん。ペンネームは、口癖の「あ、そうかも」に由来するという

 「自分の指示の失敗で、選手が(コース外などに)落ちたり、けがをしたりする。その一方で、自分自身も世界トップレベルの実力がなければ伴走者はつとまらない。取材と調査で自分が感じた、『ここまで努力するのか』という驚きを表現したかったんです」

 視覚障害がある選手の人物設定に、エッジが効いている点も印象的だ。マラソン編に登場する内田は、独善的で容赦なく他人を切り捨てるエゴイスト。スキー編のヒロイン・晴(はる)は、才能があるのに気まぐれな、怠け者として描かれた。

 「(障害者が)小説や映像作品に出る場合、昔から『いい人』『逆境に打ち勝つ』という文脈で描かれがちで不満があった。当たり前ですが、障害者は聖人君子ではない。悪い人も、ズルい人もいるんです」

 舞台は2020年の東京大会から数年後。〈もともと国民の多くはパラリンピックにほとんど関心を持っていない。(中略)東京で開催されたときには多少の注目を集めたものの、大会が終わってしまえば再び無関心が障害者スポーツを覆った〉-。

 現実の社会でも同じことが起きないかと、危惧する。

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