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【話の肖像画】元バレーボール選手・川合俊一(2)父が立てた「五輪出場作戦」

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【話の肖像画】
元バレーボール選手・川合俊一(2)父が立てた「五輪出場作戦」

中学1年、バレーボールを始めたころ=昭和50年 中学1年、バレーボールを始めたころ=昭和50年

 〈方向性が少し変わっている〉

 まず、おやじが目指したのは、背を伸ばすこと。筋肉をつけると背が伸びにくいとどこかで教わったようで、中学1、2年のころは「筋肉をつけるな」と言われました。もちろん毎日牛乳1リットル、睡眠はたっぷり、おやつは骨を作るカルシウムが豊富とされるちりめんじゃこやしらす干し、煮干し。何もないと、だしをとるかつお節を1本しゃぶったりしていました。子供が食べるようなお菓子は、誕生日とクリスマスの年2回しか口にできませんでした。

 〈思春期の男の子にとってはなかなか厳しい生活だが、素直に従った〉

 親に「お前は反抗期がなかった」と言われますね。だって、自宅がとんかつ屋です。両親の仕事を目の前で見ているんです。大変な仕事なんですよ、本当に。朝5時半に起きて仕込みをして、掃除して、昼は店のほかに出前もして、夕方から仕込みして店開けて、全部終わるのは夜の10時とか11時です。そんな姿を見ていると反抗する気にならないですよ。「すげえ、親って」となる。

 子供に反抗させないためには、親が自分が一生懸命に働く姿を見せたほうがいいですよ。「おやじ、すげえ」と思わせないとね。

 〈父の作戦は徐々に実を結び、中学入学時に160センチだった身長は卒業時に183センチに。中学3年で全国大会準優勝に輝き、数々の高校からスカウトが来た〉

 僕、東京の子供なんです(笑)。いくら強豪でも郊外に行きたくなくて、都心の明治大学付属中野高校を選びました。明大中野はスポーツ強豪校で、特にバスケットボール部は強かった。そこまで強くなかったバレー部は、体育館が日曜午前しか使えない。それ以外は外で練習です。レシーブで胸から滑り込んでも痛くないよう、胸に雑巾をあて布のように縫い付けました。それでも、カバーしきれない首筋に小石が食い込むので、休憩時間にピンセットで取ったりしていました。(聞き手 小川記代子)

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