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【書評】若者に「生きてたんですか」と聞かれつけたタイトル…養老孟司著『半分生きて、半分死んでいる』 現代人の盲点を淡々と衝く

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【書評】
若者に「生きてたんですか」と聞かれつけたタイトル…養老孟司著『半分生きて、半分死んでいる』 現代人の盲点を淡々と衝く

『半分生きて、半分死んでいる』 『半分生きて、半分死んでいる』

 タイトル、少し驚かれたのではないでしょうか。このタイトルは、本書で紹介されている以下のエピソードに基づき、養老孟司先生と相談してつけさせていただきました。

 「(某大学の喫煙所にいたら)学生が寄ってきて『養老さんじゃないですか、生きてたんですか、もう死んだと思ってました』という。いくら若者でも、それじゃあ少しひどいと思ったのか、『もう歴史上の人物ですよ』と付け加えてくれましたね。

 要するにそういうことなのである。……(中略)……私は半分は生きているが、半分はもう死んでいるのである」

 そんな飄々(ひょうひょう)とした立場で、現代の諸相を分析したのが本書です。人工知能が台頭する時代に「コンピュータは吹けば飛ぶようなもの」と語り、平成には「万事が煮詰まった」と述べ、人口や実体経済の限界が見えた時代の生き方を考えます。そして、現代の問題は「一般論としての人生と、個々の人生の乖離(かいり)」と述べ、一般化からこぼれ落ちた個々の生へまなざしを向けます。現代人の盲点を淡々と衝(つ)く一冊といえるでしょう。

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