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【編集者のおすすめ】「人生百年時代」の死生観とは 『死者と先祖の話』山折哲雄著

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「人生百年時代」の死生観とは 『死者と先祖の話』山折哲雄著

『死者と先祖の話』山折哲雄著 『死者と先祖の話』山折哲雄著

 企画のきっかけは、ある文学館で柳田国男展が催された折のこと。期間中、会場で販売した「柳田国男コレクション」(角川ソフィア文庫)のうち、『遠野物語』を差し置いて、『先祖の話』が最も売れ伸びた。

 非業の死を遂げてゆく若者たちの魂を鎮め、日本人のよりどころを明らかにするため、戦時下、日本民俗学の父が著したこの書が、3・11を経験した日本人の心を捉えたことは想像に難くない。しかし、それを越える何かが、現代人の琴線に触れているのではないだろうか--。

 著者は言う。とどまることのない延命長寿化のなか、無葬無墓・寺院消滅・脱宗教など、死を棚上げしたまま、社会現象だけが肥大化し、ただ声高に叫ばれるようになった、と。

 果たして、東京一極集中化や核家族化が当たり前の現代にあって、みずからや家族の死を、私たちはどのように迎えればよいのか。そもそも、古来、日本人は死をどのように受け止め、死者はどう供養され、先祖はいかにして祀(まつ)られてきたのか。

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