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【書評】国民の「当事者意識」醸成も 『国家の危機管理』森本敏、浜谷英博著

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【書評】
国民の「当事者意識」醸成も 『国家の危機管理』森本敏、浜谷英博著

『国家の危機管理』森本敏、浜谷英博著 『国家の危機管理』森本敏、浜谷英博著

 現在の日本を取り巻く状況をみれば、大規模自然災害、邦人テロ被害、尖閣諸島周辺の緊急事態、北朝鮮の核ミサイルの脅威などにさらされている。さらに予測不能、法の想定外の事態すら起こる可能性もあり、予断を許さない状況だ。

 一方、わが国の危機管理はこれまで安全神話に依拠し、政争の具に堕し、最悪の事態を想定しない弥縫策(びほうさく)に終始。事態が起きてから慌てふためいて対策を決する泥縄的な対応の連続であった。

 その大きな原因として本書は、日本の地政学的特性、国民的特性を挙げる。四面環海で外からの脅威に直面することが少なく、何らかの事態が起きてから対策を考えて処置してきた歴史、危機管理責任者の失敗や教訓を共有しない恥の文化、のど元過ぎれば熱さ忘れる、あるいは備えることに鈍感で、当事者意識がない国民性などだ。

 だが、前述のような危機的状況のなか、あらゆる事態に迅速・適切に対処する国家としての危機管理態勢の再構築は待ったなしである。

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