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閻連科さん 長編「硬きこと水のごとし」 革命の高揚と性の陶酔、赤裸々に

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閻連科さん 長編「硬きこと水のごとし」 革命の高揚と性の陶酔、赤裸々に

午前中に2時間半ほど執筆するスタイル。「短い時間しか書かない。その分、必ず毎日書き続けます」と話す中国人作家、閻連科さん(飯田英男撮影) 午前中に2時間半ほど執筆するスタイル。「短い時間しか書かない。その分、必ず毎日書き続けます」と話す中国人作家、閻連科さん(飯田英男撮影)

 2人の恋愛が主軸に据えられるが、目をひくのは精神面の揺れよりも赤裸々な性描写だ。愛軍は密会のために互いの家をつなぐ「地下トンネル」を掘り、そこで革命歌を聴きながら紅梅と体をむさぼり合う。革命運動での高揚と性的な陶酔を重ねるように。「(キューバの)チェ・ゲバラの革命を見てもそこには、常に快楽があったと思う。革命がホルモンを生むし、刺激もするのです」

 本作は、銃殺刑に処されることになった愛軍が執行直前に過去を回想する形で語られていく。だからコミカルな風合いすらある物語の随所に、来るべき「転落」の影がちらつく。〈何年も革命してきたのに、俺も彼女も相変わらずまだ農民〉-。愛軍の素朴な述懐が、大衆をのみ込んだ文革の悲劇性を際立たせる。

 「革命という言葉は今なら嘘くさく聞こえるかもしれない。でも当時の彼らには宗教そのものだった。そこでは暴力も含めたすべてが正しいことで、信仰の段階をあがる階段となっていった。集団心理下で人は空気にのまれ理性も失う。革命はある種の信仰である-ということを描いたんだ、と今になって思うのです」

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