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【話の肖像画】歌舞伎俳優・松本白鸚(3) 被災地から届いたサンマ

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【話の肖像画】
歌舞伎俳優・松本白鸚(3) 被災地から届いたサンマ

「勧進帳」1000回目の公演は、奈良・東大寺で初めての奉納歌舞伎となった(松竹提供) 「勧進帳」1000回目の公演は、奈良・東大寺で初めての奉納歌舞伎となった(松竹提供)

 〈戦争や自然災害の後こそ、“心の復興”を願い、高麗屋は旅公演を続けてきた。24年には、東北のファンから思いがけない贈り物を受け取った〉

 「ラ・マンチャの男」1200回のとき、東日本大震災で被災され、仮設住宅に住む岩手県の方から、青くピカピカに光ったサンマをたくさん、送っていただいたんです。お礼の電話を差し上げたら、あなたの「勧進帳」と「ラ・マンチャの男」に勇気づけられたから、お祝いですって。その晩、大根おろしで頂いたサンマのおいしかったこと。ぽろぽろ涙がこぼれました。役者の仕事ってこういうことなんだ、って思い知らされました。

 ただ技芸を見せるものではなく、思いをきちんとお伝えしなければならない。

 〈今年4月、名古屋・御園座での襲名披露興行で、「勧進帳」の弁慶を演じる〉

 新開場する御園座のこけら落とし公演で、どうしても弁慶を、とご要望を頂きました。名古屋は播磨屋の祖父(初代中村吉右衛門)、父(初代白鸚)も毎年のように伺って、私も半世紀以上のお付き合いがあります。1月の新幸四郎の弁慶も、刺激になった。息子といえどもライバルです。私はお客さまが望んでくださる限り、弁慶を演じ続けたいと思います。(聞き手 飯塚友子)

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