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【話の肖像画】歌舞伎俳優・松本白鸚(2) 時代物にお客さまが泣いていた

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【話の肖像画】
歌舞伎俳優・松本白鸚(2) 時代物にお客さまが泣いていた

初舞台の楽屋で。左からGHQのバワーズ少佐、本人、初代松本白鸚(本人提供) 初舞台の楽屋で。左からGHQのバワーズ少佐、本人、初代松本白鸚(本人提供)

 〈10代からラジオドラマや映画にも出演。「勧進帳」の弁慶も、16歳で初めて演じた。36年2月には、弟の現中村吉右衛門=当時、萬之助=と松竹から東宝に電撃移籍することが明らかになる〉

 報道が出たのが早稲田大学の受験当日。試験場に取材陣が殺到しました。ほかの受験生の迷惑になると、外に出て記者さんに「試験終了次第、お話しします」と言いました。仕事をするってこういうことか、と思いました。移籍はテレビが台頭する中、旧態依然とした歌舞伎界を憂える父が決断しました。

 〈東宝に移籍し、東宝歌舞伎や現代劇に出演。重役で劇作家・演出家だった菊田一夫との出会いが、歌舞伎俳優でミュージカル俳優、という前人未到の道を歩むきっかけとなる〉

 22歳の時に越路吹雪さんと「王様と私」に主演したのが最初のミュージカルです。今でこそ歌舞伎俳優が現代劇や映像で活動するのは珍しくないですが、当時は皆無で風当たりは強かった。中村屋のおじ(十七代目中村勘三郎)は、「ミュージカルも現代劇もやれる役者に、歌舞伎ができないはずない」と励ましてくれました。(聞き手 飯塚友子)

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