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【正論】世界に抜きんでた優秀な勤労者を育てた教育 「共通テスト」は日本の強み培うか 社会学者・関西大学東京センター長・竹内洋

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【正論】
世界に抜きんでた優秀な勤労者を育てた教育 「共通テスト」は日本の強み培うか 社会学者・関西大学東京センター長・竹内洋

社会学者・関西大学東京センター長・竹内洋氏(栗橋隆悦撮影) 社会学者・関西大学東京センター長・竹内洋氏(栗橋隆悦撮影)

 そのように言うのは、これまでの入試改革がそうであったように、教育改革は想定外の影響をもたらし、ともすると、初期の理念とまったく逆の結果になってしまうことが多いからである。

≪地味な努力を軽視する恐れも≫

 1979年から実施された共通1次試験もそうだった。これで入試地獄がなくなるかのような幻想を抱かせながら導入されたが、入試地獄はなくならなかった。それどころか、むしろ大学の序列化が進行し、固定化した。入試地獄の部分的解消は、共通1次試験や後継の「大学入試センター試験」とはまったく別の、少子化という人口現象によるものだったことは今では誰の目にも明らかである。

 今回の大学入試改革もそのような想定外の影響や結果をもたらさないとはいえない。そこで、知識・技能の部分を基礎学力と呼んで、新しい学力の提唱による影響や結果をみていきたい。共通テストの実施で完成するかにみえる新しい学力への誘導は、基礎学力上位層と基礎学力中・下位層によって違った影響と結果をもたらすのではないだろうか。

 基礎学力上位層は基礎学力が土台にあって、そのもとに思考力や活用力が展開されるし、思考力や活用力を錬磨することで基礎学力の奥行きが深まるととらえやすい。入試改革の理念の意図どおりの影響がありうる。

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