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【ゆうゆうLife】家族がいてもいなくても(533) 400年前の「おたく」に共感

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家族がいてもいなくても(533) 400年前の「おたく」に共感

 都心に出た帰り路(みち)。「まだやっているかな」とスマホで調べたら、いきなり画面にアルチンボルドの「ルドルフ2世」の肖像画が現れた。たくさんの果物とたくさんの花のみでコラージュされた摩訶(まか)不思議なこの絵が、私は昔から大好きだった。

 肖像画の「ルドルフ2世」は、16世紀末から17世紀初頭にチェコのプラハ城に君臨した神聖ローマ帝国の皇帝だ。

 スマホのおかげで、彼をテーマにした展覧会が渋谷のミュージアムで、まだ開かれていることを確認。さっそく電車を乗り換えて寄り道をすることにした。

 そもそも、私は「チェコおたく」。プラハと聞いただけで胸がときめく。アルチンボルドの肖像画もよかったけれど、この日は他にも思いがけない面白いものに遭遇して、興奮してしまった。

 「ルドルフ2世」という人は、自分の好きな芸術家や天文学者や錬金術師などをプラハに呼び集め、世界中の珍しいものや珍奇なものを収集。お城を博物館や美術館のようにしてしまったとんでもないコレクターだ。

 展覧会では、政治にも戦争にもそっぽを向き、一生独身で生きたコレクター皇帝の「おたく」ぶりがしのばれ、400年前の人とは思えない親しみを覚えてしまった。

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