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海外留学の成果を問う 昇華された「寄留者の記憶」…「DOMANI・明日展」

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海外留学の成果を問う 昇華された「寄留者の記憶」…「DOMANI・明日展」

猪瀬直哉「ポリリス」 2017年 猪瀬直哉「ポリリス」 2017年

 海外での留学体験はどのように作品を深化させるのか。将来の日本の芸術界を支える人材育成のために海外研修を支援する文化庁の「新進芸術家海外研修制度」。その制度を利用して海外留学したアーティストの成果を問う「DOMANI(ドマーニ)・明日展」が東京都港区の国立新美術館で開催されている。

 制度開始から半世紀。留学経験者の作品を集めた展覧会は20回目を数える。今回は、30代から40代の11作家を紹介。研修期間が終わってからも、そのまま現地で暮らす若い作家も珍しくなく、主に風景画を制作する猪瀬直哉(30)もその一人だ。

 猪瀬の風景画は風光明媚(めいび)でもロマンチックでもない。作品「ポリリス」では、草木すら存在せず、あるのはかつてあったであろう巨大建造物の残骸。凍り付いたような冷たい世界が広がる。これは未来の姿なのだろうか? 自然災害あるいは戦争の結末なのだろうか? 確かなテクニックにより、写実的に描写されているだけに空恐ろしく、その光景は壮大で深遠でもある。

 猪瀬は東京芸大油画専攻卒。同研修制度を利用して平成27年から2年間、ロンドンの美術大学で学んだ。彼は「人種におけるヒエラルキーがいまだに強く残る社会と密に接することになった」と振り返っている。

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