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【本郷和人の日本史ナナメ読み】戦国の女性たち(下)不倫もしていた!? 歴史を動かした「美魔女」の力

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【本郷和人の日本史ナナメ読み】
戦国の女性たち(下)不倫もしていた!? 歴史を動かした「美魔女」の力

三好長基像(模本、東大史料編纂所蔵) 三好長基像(模本、東大史料編纂所蔵)

 中国の春秋時代に「夏姫(かき)」という女性がいました。学問の基本として中国史を学んでいた平安・鎌倉時代の貴族なら誰でも知っていたはずだし、現代でも、中国史に興味ある人ならよくご存じでしょう。冬姫(ふゆひめ)というと蒲生氏郷に嫁いだ織田信長のお姫さまですが、夏姫は「プリンセス・夏」の意ではありません。周王室は王様の姓が「姫(き)」。魯や曹や衛といった周王室の血を引く諸侯の姓も「姫」。その一つである鄭の穆公(ぼくこう)の娘で、隣の陳の重臣、夏御叔(かぎょしゅく)に嫁いだ。それで「夏・姫」なのです。

 彼女については宮城谷昌光さんが直木賞受賞作となった『夏姫春秋』(文芸春秋)を書いていますが、すいません、ぼくはまだ読んでいません。ぼくが彼女を知ったのは、海音寺潮五郎さんの著作で、しかも『中国妖艶(ようえん)伝』(文春文庫)ではないのです。何という本だったかなあ…。

 夏姫は抜群の美女だったらしい。国にいるときに異母兄と通じ、結婚してから夏徴舒(ちょうじょ)を産むのですが、夫の死後、陳の霊公、重臣の孔寧(こうねい)と儀行父、3人に通じました。ある日3人は「徴舒はお前たちによく似ている。どちらかの子ではないのか」「いやいや、鼻の辺りはわが君そっくりで」などと軽口をたたいていた。これが徴舒に聞こえてしまったからたまらない。彼は反乱を起こして霊公を殺害してしまいます。

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