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「絵画の現在」展 平面の可能性追求

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「絵画の現在」展 平面の可能性追求

津上みゆき「View, Tokyo Merry-go-round, Winter,2017」 2017年 個人蔵 courtesy of HASHIMOTO ART OFFICE(長塚秀人撮影) 津上みゆき「View, Tokyo Merry-go-round, Winter,2017」 2017年 個人蔵 courtesy of HASHIMOTO ART OFFICE(長塚秀人撮影)

 絵画の力とはいったい何なのか。写真や映像などさまざまな表現が活発な時代にあって、絵画に目を向けた「絵画の現在」展が、府中市美術館(東京都)で開かれている。

 絵画の魅力をじかに感じさせるのは色彩だろう。華やかな色調の抽象的な絵画を制作しているのが津上みゆき(44)だ。披露された新作の数々。透明感のある色の中に、川や建物がぼんやりと浮かび上がる。津上は本展の出品が決まってから府中市の多摩川周辺を歩き自然をスケッチした。それを元に大作を制作。「手で水に触れ、流れの速さを知った。(中略)海へと向かう水の束は、ひたすら繰り返し流れ続けている事実に気付く」と、津上は本展の図録に記している。自然から着想を得て、五感で吸収した風景を描出した。アクリル絵の具を塗り重ねた奥深い画面の上で、赤や黄など明るい色彩が戯れる。

 見た目で絵画の迫力を実感させるのが近藤亜樹(30)の作品だ。激しい筆致の大作を出品しているが、アクリル絵の具による小さなドローイングも負けてはいない。「島へ」や「叫び」といった作品はカラフルで子供のように自由。論理的思考を積み上げて描いたのではなく、湧き出る情熱を絵の具でたたきつけているかのようだ。伸びやかな激しいタッチとともに色や形が躍動する。作品の前に立つと、画家の魂のほとばしりに圧倒されてしまう。

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