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【棋聖に成る】(4)田中寅彦九段(60) 31歳、待望の初タイトル

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【棋聖に成る】
(4)田中寅彦九段(60) 31歳、待望の初タイトル

 「ここ(タイトル獲得)まで年月がかかってしまったが、今考えれば、もう少し喜んでおけばよかった」

 昭和63年7月29日、大阪市の「大野屋迎賓閣」。第52期棋聖戦五番勝負(65期までは年2回開催)は最終局を迎えていた。初防衛に懸ける南芳一棋聖(54)に1勝2敗のカド番から追いついた田中寅彦九段=当時八段=は序盤巧者ぶりを発揮し、83手で初タイトルの棋聖位を奪取。終局時間は午後3時55分という早さだった。

 当時、七大タイトルは20代棋士が独占。31歳だった田中九段がそれを打ち破った。最年少棋士だった頃もある田中九段は最年長のタイトル保持者となった。

 将棋は「小学生の頃は勝つのは当たり前」だったが、中学時代は水泳にいそしんだ。1年生の頃、立ち寄った書店で、「お前、それを買って帰れ」と天の声に吸い寄せられるように手に取ったのが升田幸三実力制第四代名人の本。人生訓を記した本で、「自由に生きられる世界があるんだ」「勉強より難しそうだ」と感じた。

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