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【広角レンズ】昭和の大衆小説が再ブレーク 獅子文六、源氏鶏太… 胸に響く明るさと連帯感

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【広角レンズ】
昭和の大衆小説が再ブレーク 獅子文六、源氏鶏太… 胸に響く明るさと連帯感

 平成の終わりが迫る中、獅子文六や源氏鶏太といった昭和の中頃にかけて活躍した大衆小説作家の人気が再燃している。長らく入手困難だった作品が相次ぎ文庫で復刊され、増刷する例も珍しくない。軽妙洒脱(しゃだつ)でユーモア精神あふれる物語が多くて、読後感は明るく爽やか。忘れられていた名作が、なぜ今ウケているのか。(海老沢類)

                  

 今、“昭和”が新しい!面白い!-。昨年11月に刊行された『家庭の事情』(ちくま文庫)の帯にはそんな宣伝文句が踊る。

 ユーモアと悲哀がにじむサラリーマン小説で知られた源氏鶏太(1912~85年)が昭和36年に発表した家庭小説。定年を迎えた父親が退職金などで手にした大金を5人の娘と等分したことで巻き起こる悲喜劇が、軽妙なタッチでつづられる。何度か映像化もされたが、文庫ではほとんど入手できない状態だった。

 「会話の多い文章はリズムが良くてすいすい読めるし、描かれる男女の恋愛や家族の問題は普遍的。今読んでも古びない面白さがあると思った」と筑摩書房の担当編集者、窪(くぼ)拓哉さんは話す。

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