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【明治の50冊】(4)文部省音楽取調掛編 小学唱歌集 理想に終わった和洋折衷

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【明治の50冊】
(4)文部省音楽取調掛編 小学唱歌集 理想に終わった和洋折衷

『小学唱歌集』第三編の「仰げば尊し」。右ページにひらがなとカタカナの歌詞入り五線譜が、左ページに縦書きの歌詞が記載されている 『小学唱歌集』第三編の「仰げば尊し」。右ページにひらがなとカタカナの歌詞入り五線譜が、左ページに縦書きの歌詞が記載されている

 『小学唱歌集』は、文部省音楽取調掛が編集した日本初の五線譜による音楽教材だ。明治14(1881)年から17年にかけて、初編から第三編まで出版された。全91曲中には「蝶々」「蛍の光」「仰げば尊し」「庭の千草」など、今も歌い継がれる曲が含まれる。

 楽譜部分を1曲ずつ模造紙大の紙に刷った『唱歌掛図(かけず)』や『小学唱歌集』は、全国の師範学校や主だった小学校に配られた。東京学芸大名誉教授の沢崎真彦氏は、「唱歌集を手にしたのは教師が主で、生徒は教室に掲げられた掛図を見て歌ったのだろう」と話す。

 当時、西洋音楽に接したことがあるのは、幕末に生まれた軍楽隊関係者など限られた人だけ。初めて見る五線譜で声をそろえて歌う体験は、新時代の国民を実感させたことだろう。教室以外でも、鹿鳴館ふうの洋装の紳士淑女が、『小学唱歌集』の曲を歌う錦絵が残っている。

 「唱歌」(音楽)は明治5年の学制発布により、小学校の教科として登場。欧米の教育制度にならって取り入れたものの、何をどう教えていいのか分からない。そのため、学制でも唱歌は「当分之(これ)を欠く」と書かれ、授業の実施は見送られていた。12年、文部省内に音楽取調掛が設置され、米国留学から帰国した伊沢修二や、米国で音楽教科書を著したL・W・メーソンらが中心となり、実施に向けた作業がスタートした。

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