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清川あさみ、最果タヒ著「千年後の百人一首」 日常に古典の情感

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清川あさみ、最果タヒ著「千年後の百人一首」 日常に古典の情感

清川あさみさんが「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」に付けた絵(『千年後の百人一首』から) 清川あさみさんが「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」に付けた絵(『千年後の百人一首』から)

 詩人の最果タヒさんとアーティストの清川あさみさん、幅広い世代に支持される人気作家2人がコンビを組んで百人一首の“現代訳”に挑んだ。『千年後の百人一首』(リトルモア)は、古典文学を勉強するという感じではなく、日常と地続きの感覚で言葉と絵を楽しめる作品集。日本一有名な歌集の新たな魅力を掘り起こす、ユニークな試みだ。

 「詠んだ人の、これを歌にしたいという衝動を、もう一度私もつかんで、そこから言葉が生まれたら、それが私にとっての訳になると思ったんです」

 最果さんは、そう話す。説明するのではなく現代詩として成立させる。そのために「どうしてこの人はこう詠んだのかってずっと考えてました」。

 たとえば山部赤人の「田子の浦にうち出(い)でて見れば白妙(しろたえ)の富士の高嶺(ね)に雪は降りつつ」は、こうなった。

 〈ごらん、田子の浦の浜辺にでれば、見上げるそこに富士山だ。ごらん、君の瞳のなかの、その白い高嶺に、今も、雪が降っている。〉

 意味だけでなく、漂う詩情をつかみ取って、それを現代の言葉でつづる。昔の人々の営みが、まるで隣人や知人のそれのように身近に迫ってくる。

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