産経ニュース

【書評】揺れ迷う女たちの日々描写 『意識のリボン』綿矢りさ著

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【書評】
揺れ迷う女たちの日々描写 『意識のリボン』綿矢りさ著

 交通事故に遭い、死にかかった女性が「ひかり」に導かれ、今までの人生の記憶をたどる旅をする。肉体を失って振り返ると、他者との競争に勝ったことなどは、ほとんど意味をなさず拭い払われ、それよりもどれだけ人を助け、助けられてきたかを再認識するという、不思議で穏やかな作品。

 どの主人公たちもたわいないことの意味を考え、ぐだぐだと悩み、それでもひたむきに歩んでいる。そんな日々の積み重ねを、それでもいいよと作者は肯定してくれる。

 8編のうち7編が若い女性の視点で書かれたものだが、男性にも読んでもらいたい。揺れ動く女心を知る手がかりになるだろう。(集英社・1300円+税)

 評・赤羽じゅんこ(絵本作家)

「ライフ」のランキング