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【アート 美】「国宝 雪松図と花鳥」展 応挙も模写した鳥類真写図巻

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【アート 美】
「国宝 雪松図と花鳥」展 応挙も模写した鳥類真写図巻

「雪松図屏風」(国宝) 6曲1双 円山応挙筆(左隻) 江戸時代・18世紀 北三井家旧蔵 「雪松図屏風」(国宝) 6曲1双 円山応挙筆(左隻) 江戸時代・18世紀 北三井家旧蔵

 「鳥類真写図巻」が制作された江戸時代は、大名から庶民まで小鳥を飼うブームがしばしば起こっていた。図鑑のような写実的な描写は、そんな社会の一断面を示しているようでもある。

 サブタイトルは「美術館でバードウォッチング」。茶道具や工芸品などの中にも、鳥のモチーフが多くある。中でも、江戸時代前期の陶工、野々村仁清の「色絵鶏香合」は秀逸。表面には鮮やかな朱や緑などの流麗な色彩が施され、上品で愛らしい。小さなトサカやくちばしといった細部の造形にも確かな技巧が宿る。中国・清代の画家で日本の花鳥画に大きな影響を与えた沈南蘋(しんなんびん)の貴重な作品も披露されている。

 同館所蔵品による展示。三井家は鳥との関係が深く、鳥を題材にした美術品が自然とコレクションされたようだ。伊勢・松阪出身の三井家は、18世紀前半までに、本家の北三井家など計11家に分かれ、現代に至っている。明治維新後、北三井家8代の三井高福(たかよし)は「海辺群鶴図屏風」といった優れた絵を残し、9代高朗(たかあき)は400羽以上の鳥を飼い、京都での博覧会にも出品した。前述の「鳥類真写図巻」を所蔵していたのは新町三井家の三井高遂(たかなる)。大正時代、東京帝国大(現・東京大)で動物学(遺伝学)を研究し、後に共著で『家禽図鑑』を著している。

 美術館で、鳥たちのさまざまな表情を見ていると自然に心がなごみ、豊かな気分になる。流麗に羽ばたく鳥を観察し、おおらかに過ごすのもいい。(渋沢和彦) 

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