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熊谷守一展 目に見えるものの背後にある秩序とらえる

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熊谷守一展 目に見えるものの背後にある秩序とらえる

「猫」1965年 愛知県美術館 木村定三コレクション 「猫」1965年 愛知県美術館 木村定三コレクション

 シンプルな色彩と赤茶色の輪郭線で構成した油彩画。虫や草花を描いたヘタウマのような絵画は、一度見たら忘れられない。独創的な油彩を制作した洋画家、熊谷守一の没後40年を記念した展覧会が東京国立近代美術館(東京都千代田区)で開かれている。熊谷を主人公にした映画も5月から公開予定。ますます注目が集まりそうだ。(渋沢和彦)

 ユーモラスで見ていると幸せな気分になる。のんびりとうたた寝をする「猫」や華やかに咲く花、その足元でうごめくカタツムリを描写した「ハルシヤ菊」。生きる喜びと、小さな生き物を見守る優しいまなざしを感じる。ほのぼのとしていて平和だ。

 そんな朗らかな作品で知られる熊谷だが、20代は「光と影」をテーマにアカデミックで暗く重厚な作品を制作していた。代表作「蝋燭(ローソク)」は、画面全体が闇に包まれ、わずかに人の顔が見えるだけだ。絵画教室を開いたが、生活は苦しく、ようやく絵が売れ始めたのは50代後半で初めて展覧会を開いてから。年齢を重ねるごとに、形は徐々に簡略化され、色彩は明るくなっていった。熊谷らしい赤茶色の輪郭線と平坦な作風を完成させるのは70代半ばになってからだった。

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