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【象徴 次代へ 皇太子さまの問い】(下)新しいご公務「水」問題 普遍の課題、世界へ発信

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【象徴 次代へ 皇太子さまの問い】
(下)新しいご公務「水」問題 普遍の課題、世界へ発信

皇太子ご夫妻=2017年10月24日、高知市(代表撮影) 皇太子ご夫妻=2017年10月24日、高知市(代表撮影)

 ネパール中部サランコットの丘に向かう道。民族衣装姿の女性が大きな甕(かめ)を並べ、石造りの水くみ場の前に列を作っていた。昭和62年3月、浩宮時代の皇太子さまはカメラのシャッターを切ると、しばらくその場で立ち尽くされた。

 「『水』の問題を考えるきっかけになった一枚です」。20年後の平成19年。東宮御所で元建設省河川局長の尾田栄章さん(76)と講演の準備を進めていたとき、皇太子さまが当時の写真を取り出し、こう説明された。

 同年12月、大分県での第1回アジア・太平洋水サミット開会式の記念講演では同じ写真を示し、「水くみをするのにいったいどのくらいの時間がかかるのだろうか。女性や子どもが多いな。本当に大変だな」と当時の感想を紹介された。

 「昭和62年当時は、まだ女性問題が国際的に大きく取り上げられていない。皇太子さまは水問題が女性の貧困問題であり、子供の将来に関わる問題だと敏感に捉えられていた」。尾田さんはこう評価する。

 学習院大時代に瀬戸内海の水運、英国留学中にテムズ川の交通史を研究した皇太子さまに、尾田さんらが平成15年に京都市で行われた「第3回世界水フォーラム」の名誉総裁を依頼したのが、水問題に本格的に取り組まれる転機となった。

 ◇国連での講演

 25年3月6日。米国ニューヨークの国連本部の会議場に、皇太子さまは登壇されていた。

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