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【めぐみへの手紙】「思いがけない奇跡を」お正月のたび、思います 痛恨の思い、底知れぬ焦り

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【めぐみへの手紙】
「思いがけない奇跡を」お正月のたび、思います 痛恨の思い、底知れぬ焦り

食卓を囲み語り合う横田めぐみさん(左)と母の早紀江さん。食卓にはいつも明るいめぐみさんの声が響いていた =昭和41年ごろ 食卓を囲み語り合う横田めぐみさん(左)と母の早紀江さん。食卓にはいつも明るいめぐみさんの声が響いていた =昭和41年ごろ

 めぐみちゃん、こんにちは。いよいよ新しい年を迎えましたね。昨年の初め、「今年中に、すべての拉致被害者を救出していただきたい」と政府にお願いしながら、拉致問題が前に進まないまま1年間が過ぎてしまったことを、本当に切なく感じます。

 世間がせわしない雰囲気に包まれた年の瀬、お父さんとお母さんも落ち着かない日々を送りました。めぐみちゃんがいた頃は、クリスマスや大みそかを家族みんなで、にぎやかに過ごし、すがすがしい気持ちでお正月を迎えたものです。

 クリスマスは小さなツリーを飾り、好きな飲み物を飲んで、楽しく食卓を囲みました。お母さんが焼いたチキンも並べて、お祝いしましたね。大みそかは除夜の鐘を聞きながら年を越しました。でも、めぐみちゃんが姿を消してから、寂しい年末になってしまった。

 1年の終わりと、始まりを告げる鐘の音が響くたび、明るかったあなたを思い出し、大事なものが欠けているという現実を突きつけられます。

 いつになれば、あのころの楽しい日々を取り戻せるのか…。お父さんとお母さんにとって年末年始はとても辛(つら)い季節です。

 めぐみちゃんは寒さに強い女の子でした。小さいころは冬になるとよく、のどを痛めましたが、成長するごとに頑丈になった。お父さんやお母さんと違ってスポーツもよくできた。バレエや水泳、バドミントン。体をよく鍛え、よく食べ、よく歌を歌い、拓也や哲也と一緒になって、にぎやかに、はしゃいでいました。

 日本は今、身を切るような寒さですが、北朝鮮の厳寒は、それと比べようのないものでしょう。その厳しさに耐え、毎日、救いを待っているめぐみちゃんたちを思うと、心配で心配で仕方がなくなります。

 拉致されてあまりにも長い時がたち、身体が耐えられても、ひどく痛めつけられた心が耐えられるか。想像するだけで胸が苦しくなります。

 それでも、あなたのことだから、「きっと大丈夫だ」と強く信じています。

 クリスマスとお正月を迎えるたび心に思います。「拉致被害者と家族に思いがけない奇跡が与えられるのではないか」-。人の祈りは簡単に通じるものではありませんが、めぐみちゃんたちが一刻も早く祖国の土を踏み、日本国民をはじめ、世界中の人々が幸せに過ごせる日がやって来るよう、願ってやみません。

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