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【からだのレシピ】肝臓の患者会存続へ支援を

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【からだのレシピ】
肝臓の患者会存続へ支援を

患者会への支援を訴える米澤敦子事務局長  患者会への支援を訴える米澤敦子事務局長 

 ■C型肝炎新薬効果で会員減も「適切な情報」必要

 肝硬変やがんにつながる可能性のあるC型肝炎の新薬が続々登場し、大規模な患者数でウイルス除去の効果が表れている。このことが皮肉にも、患者会の会員が激減し、会の存続が危ぶまれる事態を招いている。

 「会員数は平成19年の約4千人をピークに減り始め、いまでは1500人ほどに。減少が続けば、数年後には患者会は維持できなくなる」。患者会の一つ、NPO法人「東京肝臓友の会」の米澤敦子事務局長はこのように話す。

 C型肝炎は3年前に初の経口薬となる「ダクラタスビル」が発売されたのを皮切りに、次々に新薬が登場し、それぞれの薬でウイルス除去の奏功率が9割前後という高い率を示している。厚生労働省によると、国内のウイルス・キャリア数は190万~230万人とみられる中で、新薬によって数十万単位の患者でウイルス除去に成功したと推定されている。医療的には喜ばしいことだが、患者会にとっては「もう治ったから」と会員が相次いで退会する事態になっており、一部の支部では閉鎖に追い込まれたところもある。

 患者会の役割には患者に適切な情報を届けることがある。元患者の米澤さんには、苦い経験がある。C型肝炎のインターフェロン治療に対する東京都の助成制度が始まる前に治療を受け、医療費助成を十分に受けられなかった。「入院して初めて同室の患者さんに翌年から助成制度が始まることを教えてもらった。その人は他県の住民なのに、患者会を通じて知っていた」(米澤さん)という。

 東京肝臓友の会の場合、年間3千円の会費や企業の寄付金で運営し、無料の電話相談も行っている。会員向けには最新治療を紹介する講演会を開催し、治療情報が詰まった会報誌を送付している。

 「治療が成功しても、肝がんになるリスクが残っていたり、薬剤耐性で次の薬を待っていたりする人もいる。B型やアルコール性、非アルコール性の肝炎も含め、必要な人に必要な情報を届けたい」と米澤さんは会への支援を訴えている。問い合わせは同会へ(電)03・5982・2150(火~金・午前10時~午後4時)。

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