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【語り部の言の葉】岩手県陸前高田市・実吉義正さん(74)「命を奪われる人は減らせる」「津波は二度逃げ」教訓に

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【語り部の言の葉】
岩手県陸前高田市・実吉義正さん(74)「命を奪われる人は減らせる」「津波は二度逃げ」教訓に

 気仙中学校が見えます。津波は3階の校舎を乗り越えました。震災遺構として残ることが決まっています。

 東日本大震災の日に学校にいた生徒は全員無事でした。当時の女性校長の判断が生きました。

 学校の避難マニュアルには「地震が起きたら生徒を校庭に集めて点呼を取れ」と記されています。しかし校長先生はこれを無視しました。危険を察知し、「点呼は高台に避難してからでも遅くない」と子供たちをまず逃がしました。

 子供たちは高台に避難しましたが、校長先生は慎重を期してさらに高い所に誘導し、難を逃れました。

 三陸地方は津波常襲地で各所に津波の教訓を示す「津波石」が立っています。その中に「津波は二度逃げ」という言葉が記されています。「いったん避難しても予想を超す大津波が来ることもあり得るから、念を入れてもう1回上に逃げよ」という教えです。

 校長先生はこの言葉は知りませんでしたが、感覚的に実践していたのです。

 バスケットボール部のボールが流され、震災翌年、米アラスカ州に漂着しました。現地の女子高生が見つけ、好意で戻されました。ボールは試合の時、「守り神」としてベンチに置かれるそうです。

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