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【回顧2017】美術 若者も共感、背景知る楽しみ

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【回顧2017】
美術 若者も共感、背景知る楽しみ

「怖い絵展」で、報道陣に向け作品解説する作家の中野京子さん=6日午後、東京都台東区の上野の森美術館(宮崎瑞穂撮影) 「怖い絵展」で、報道陣に向け作品解説する作家の中野京子さん=6日午後、東京都台東区の上野の森美術館(宮崎瑞穂撮影)

 ソーシャルメディアの普及で観客の生の声が拡散される時代、展覧会もわかりやすさや視覚的インパクト優先になっていくのではないか-。今年を振り返る限り、そんな個人的予想は見事に外れた。

 思い出したのは、硬派な歴史書では異例のベストセラーとなった『応仁の乱』(中公新書)だ。室町後期の有名だが実態はよく知られていない複雑な戦乱を、いたずらに単純化せず複雑なまま読者に提示し大ヒットした。美術界も今年、ただ見て美しいというより、作品の複雑な背景を丁寧に読み解く展覧会が熱い支持を得た。

 象徴的なのが、上野の森美術館(東京)で17日に閉幕した「怖い絵」展だろう。入場まで最長3時間半待ちと連日盛況で、先に巡回した兵庫県立美術館(神戸市)と合わせて68万人を動員した。企画のもとになったドイツ文学者、中野京子さんのベストセラー『怖い絵』の読者層だけでなく、目立ったのは若い世代。今まで美術展や美術館になじみの薄い層が「恐怖」に好奇心を刺激されて多く足を運んだことが、来場者アンケートなどからうかがえた。

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