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塩野七生さん 「ギリシア人の物語」完結 衆愚政に堕しないために…「日本の繁栄は強いリーダーを持てるかにかかっている」

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塩野七生さん 「ギリシア人の物語」完結 衆愚政に堕しないために…「日本の繁栄は強いリーダーを持てるかにかかっている」

「私のように分厚い本を書く人間はいまや絶滅確実種です」と笑う塩野七生さん=11月29日、東京都新宿区の新潮社(酒巻俊介撮影) 「私のように分厚い本を書く人間はいまや絶滅確実種です」と笑う塩野七生さん=11月29日、東京都新宿区の新潮社(酒巻俊介撮影)

 作家生活50年を迎えた塩野七生さんが「最後の歴史長編」と決めて取り組んでいた『ギリシア人の物語』第3巻「新しき力」がついに完成した。第1巻「民主政のはじまり」、第2巻「民主政の成熟と崩壊」と紡がれてきた物語の掉尾(ちょうび)を飾るのはマケドニアのアレクサンドロス大王だ。同時に地中海世界の2500年(都市国家アテネの台頭からベネチア共和国の滅亡まで)を描き切ったことになる。ローマから一時帰国した塩野さんに聞いた。(桑原聡)

 塩野マジックと言うしかない。これまで点として存在していた人物や事柄が線で有機的につながり、古代ギリシアの歴史が浮き彫りにされてゆく。

 全巻を読み通して痛切に感じたのは、民主主義の扱いにとまどう日本人に対する力強いメッセージである。そう感想を伝えると、「私は日本人に向けてメッセージを発しようとは思っていません」と塩野さんは言下に否定し、こう言葉をついだ。

 「そう思って書くと、史実の中から自分にとって都合のよい部分だけを拾ってしまうでしょう。私はこの物語で民主政がどのように生まれ、どのように機能し、どうしてだめになっていったかを書いたにすぎません。あなたがそのような感想をお持ちになったのは、民主政があっという間に衆愚政になってしまったアテネと現在の世界とが重なって見えるからではないでしょうか」

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