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【国際情勢分析】おじけづいた? 「ロヒンギャ」をミャンマーで言えなかったローマ法王の苦悩と弱点

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【国際情勢分析】
おじけづいた? 「ロヒンギャ」をミャンマーで言えなかったローマ法王の苦悩と弱点

1日、ダッカでロヒンギャ難民と面会したローマ法王フランシスコ(左)=ロイター 1日、ダッカでロヒンギャ難民と面会したローマ法王フランシスコ(左)=ロイター

 法王に任命されたミャンマーのチャールズ・ボー枢機卿も法王に、ロヒンギャという言葉を使えば少数派カトリックの立場を危うくしかねないと警告した。訪問の直前、「(法王は)危ない橋を渡ろうとしている」と危惧する教会関係者もいたといい、専門家は「まな弟子や地元の教会に強く諭された法王は従わざるを得なかった」と指摘する。

 一方で、ミャンマー政府を刺激し「ロヒンギャ問題の解決への道を閉ざすことも懸念した」(東南アジア政治に詳しい秦辰也・近畿大教授)との見方もある。両国訪問を終えた法王は「もしその言葉を公の演説で使っていたら、ミャンマー指導者らは私たちの前で(対話の)扉を閉ざしていただろうと思った」と述べた。ミャンマー政治史が専門の根本敬・上智大教授は「ロヒンギャに言及しなければ論争を招くことは間違いなく、法王は相当苦悩したと考えられる」と分析する。

 法王の心労は隣国のバングラデシュの訪問でも続いた。

 バングラデシュの首都・ダッカで、ラカイン州から避難している2人の子供を含む16人のロヒンギャ難民と面会した際も、法王は感情をあらわにしないことで国内を刺激しないように気遣っていたようだ。

 帰国の途についた法王はメディアの取材に応じ、難民との面会をこう振り返った。

 「(面会後に)私は涙した。だが、私が泣いているように見えないよう努めた」

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