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【ゆうゆうLife】家族がいてもいなくても(527)切なく響く山谷のブルース

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家族がいてもいなくても(527)切なく響く山谷のブルース

 近所の知人と久々に出掛けた。目指すは浅草木馬亭。

 目下、休業中のわが人形劇団の仲間が、イベントを企画したというので聞きに行ったのだ。

 早めに出て、途中、手打ちそばを食べたり、差し入れの大福を買ったりして浅草をぶらぶら。

 久しく出掛けないでいると、どんどん東京の街は変わっていく。スカイツリーが望める通りに並ぶ店は、すっかり外国人観光客仕様になっていたりした。

 その浅草の木馬亭でのイベントは、個性派俳優として知られる「はっぽん」こと山谷初男が主役。1970年代に演劇界を席巻していた寺山修司が、この山谷初男のために14曲も作詞してくれたそうで、それをメインにしたコンサートだった。テーマは「寺山修司は生きている!」。女性講談師の田辺鶴瑛が「山谷初男物語」を、田辺銀冶(ぎんや)が「寺山修司伝」を講談で語るなど、共演者たちも異色で、楽しい会だった。

 つまりは、山谷初男が大好きという面々が、彼の誕生日を祝して打った興行ということらしい。

 私は、山谷とは10年ぐらい前に、知人の行きつけのスナックで出会った。酔うと彼は必ず歌い出す。その歌の泣きたいような、笑いたいような独特なせつなさに魅了されていた。いつのまにかファンになり、彼のライブハウスにも、2度ほど聞きに行ったこともあった。

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