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【主張】羽生永世七冠 探究心と情熱に学びたい

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【主張】
羽生永世七冠 探究心と情熱に学びたい

 400年余りの伝統を持つ将棋界で、羽生善治棋聖(47)が史上初の「永世七冠」となった。

 今期の竜王戦を制し、7つある永世称号の中で唯一手にしていなかった「永世竜王」の資格を得た。タイトルを1つ獲得するのも至難とされるプロの世界だ。「知の金字塔」に心から賛辞を贈りたい。

 15歳でプロ入りした羽生棋聖は30年以上もの間、日本を代表する知性の人であり続けてきた。数多の著書はビジネスの分野でも影響力があり、今年は人工知能(AI)に関する著書で予測不能の時代をどう生きるべきかの指針を示している。

 藤井聡太四段(15)ら若手が台頭する中、今年は夏から秋にかけて2つのタイトルを失い、「衰え」もささやかれた。それでも棋界の頂点に立ち続ける不屈の姿が、教えるものは多い。原動力の一つが旺盛な探究心だろう。

 AIの急激な進化で将棋の戦術が大きく変わる中、羽生棋聖は最新の戦法に明るい。「過去に『こういうやり方で勝てた』という経験にあまり意味はない」「最先端の感覚を取り入れ、使いこなさなければ生き残れない」とAI時代の心構えを説いている。

 自身の対局を振り返る感想戦では、難解な局面で目を輝かせ、多弁になるという。「将棋をどこまで分かっているのかと言われたら、まだまだよく分かっていない」とは、永世七冠を得た直後の言葉だった。

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