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【ときを紡ぐ絵本-親子とともに】『おはなをあげる』 優しさに包まれる

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【ときを紡ぐ絵本-親子とともに】
『おはなをあげる』 優しさに包まれる

『おはなをあげる』(ジョナルノ・ローソン作、シドニー・スミス絵) 『おはなをあげる』(ジョナルノ・ローソン作、シドニー・スミス絵)

 私は毎日の愛犬との散歩中、いろいろな光景に出合います。ベビーカーに乗った男の子がすれ違いざまに「わんちゃん、笑ってるよ。うれしいんだね」と愛犬を指さしました。男の子はベビーカーを押すお母さんにそのことを伝えたかったのでしょう。残念ながら、お母さんは携帯電話で話をしながら、私の横を通り過ぎていきました。

 偶然にも銀杏(いちょう)の葉が2枚重なって落ちてくる様子を見た女の子が「仲良しの落ち葉だね」と、大切にその葉を拾いお母さんに差し出しました。このような出合いは私を優しく包み、幸せにしてくれます。絵本の最後、女の子は残った一輪の花を自分の耳に飾り、再び家を後にします。

 女の子の歩く先には、沢山の花が咲いています。この場面で、私にはなぜか、ユーミンのあの曲、『やさしさに包まれたなら』(荒井由実作詞・作曲)が聞こえてきます。

 目の前にあるものすべてが愛にあふれ、優しさに包まれた世界をうたった歌です。

 読者の皆様はいかがでしょうか。(国立音楽大准教授 林浩子)

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