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【開戦から76年】(中)中国で終戦迎え地元住民と良好な関係維持 「戦争回避に話し合い重要」東京・葛飾区の矢崎文彦さん

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【開戦から76年】
(中)中国で終戦迎え地元住民と良好な関係維持 「戦争回避に話し合い重要」東京・葛飾区の矢崎文彦さん

自らの戦争経験を通じて、話し合いで解決することの重要性を訴える=葛飾区 自らの戦争経験を通じて、話し合いで解決することの重要性を訴える=葛飾区

 応城到着後は現地の治安維持のため、馬に乗って市街の巡回警備に当たった。やがて「少し落ち着いてきたから幹部候補生にでもなるか」と考えを改めて軍に申請。早大から、候補生教育を受ける際に必要な書類が届くのを待ちながら、警備活動を続けた。

 20年8月15日。応城近辺で日本の敗戦を知った。内心では「戦争が終わってうれしかった」。しかし、それまで自分たちをもてなしてくれた地元住民の態度が急変した。矢崎さんたちは寝床を襲撃され、時計や万年筆を強奪されるなどの被害も起きるようになった。

 軍からの物資供給が絶たれると食糧難にも悩まされた。馬の飼料用穀物や草まで食べて飢えをしのいだが、戦友数人は身体を壊して亡くなった。「木の葉を敷いて遺体を荼毘(だび)に付し、骨を箱に入れたんだが、身につまされる思いだった」

 その後も苦難続きの生活だったが、矢崎さんたちは地元住民のために水路に架かる橋を修理したり、麦畑の草むしりに汗を流したり。「私たちの行動を見て、住民も悪い印象を持たなかったようだ」。おかげで、帰国する21年5月まで地元住民とは良好な関係を保つことができた。

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