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【話の肖像画】元通産事務次官・小長啓一(4) 激務から解放と思ったのに…

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【話の肖像画】
元通産事務次官・小長啓一(4) 激務から解放と思ったのに…

 田中さんは通産相時代、毎晩3つの宴席を掛け持ちし、とっくりを手に出席者を回っていました。ある晩、年配の男性の前ではたと止まり「昔、富士銀行(現みずほ銀行)神田支店に勤めていませんでしたか」と聞いた。男性が「確かにいました」と答えると、田中さんは「あなたは命の恩人です」と言う。土建会社を経営していた20代の年末、支店で融資を頼むと、窓口の行員は貸してくれない。「『このままでは年を越せない』と粘ったら、奥にいたあなたが『話を聞こう』と来てくれて、融資を決めてくれた」というのです。高等小学校を出て建設現場で働き、会社を起こし、苦労を重ねながら地位を固めてきた田中さんの人間性が垣間見えました。こういうところも人気の要因でしょう。偉くなっても常に「下から目線」でした。(聞き手 田中一世)

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