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【開戦から76年】(上)「自決しろ」と迫られたセブ島…収容所の米兵から「おまえも、おれも、国の犠牲者だよ」 東京・品川区の島田殖壬さん

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【開戦から76年】
(上)「自決しろ」と迫られたセブ島…収容所の米兵から「おまえも、おれも、国の犠牲者だよ」 東京・品川区の島田殖壬さん

フィリピン・レイテ島、セブ島の戦いについて語る島田殖壬さん=東京都品川区 フィリピン・レイテ島、セブ島の戦いについて語る島田殖壬さん=東京都品川区

 上陸早々、米戦闘機による機銃掃射を受け、飛散した道路の破片などが右肩に突き刺さり負傷した。肩の状態が回復して部隊に復帰、師団司令部の護衛役として敵情を探りに出た際には、勝利を確信して上半身裸で浮かれ騒ぐ米兵の姿に腹を立てて狙撃。ところが逆に、返り討ちにあって大切な戦友を失った。胸の傷口から肺の動きが見えるほどの重傷を負った戦友も目撃した。

 セブ島へ転戦しても戦況は変わらなかった。身を隠すために掘った壕から半身を出していたところ、目の前に迫撃砲を撃たれて右腕を負傷した。「神経も飛ばされたからか痛くなかったが、血が止まらず、腕はだらんとしていた」。マラリアにも感染して「戦力にならん。自決しろ」と迫られたが、上官の取り計らいで治療を受け一命を取りとめた。

  ◇  ◇  ◇

 20年8月15日、米軍がまいたビラで日本の敗戦を知った。

 「日本が負けるなんて…」。信じられなかった。しかし、同28日に武装解除し、レイテ島に設けられた米軍の捕虜収容所に入所。敗戦の悔しさが募る中、収容所にいた米兵から「おまえも、おれも、それぞれの国の犠牲者だよ」と言われ、考え方が変わった。「国は違っても同じ兵隊同士。新たな絆が生まれた気がした」という。

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