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岸惠子さん 小説集「愛のかたち」を刊行 「命が熟れ落ちるまで書くことに打ち込みたい」

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岸惠子さん 小説集「愛のかたち」を刊行 「命が熟れ落ちるまで書くことに打ち込みたい」

新刊を手に「今回は一気に書きました」と語る岸惠子さん (酒巻俊介撮影) 新刊を手に「今回は一気に書きました」と語る岸惠子さん (酒巻俊介撮影)

 パリに住んでいた1984(昭和59)年のテロ事件がきっかけでイスラム社会に関心を抱き、イラン・イラク戦争さなかのイランなどを単身訪れて、『砂の界(くに)へ』という本にまとめた。「でも日本人は日本で起こっていないことは知らないでいいみたいで、あまり話題にならなかった。それで小説を書いたんです」

 新刊の『愛のかたち』には、男女の恋愛だけでなく親子愛や友情など、幅広い愛の姿が登場する。背景には、神奈川県座間市で起きた連続殺人事件など、平和といわれる日本でなぜこれほど犯罪が起こるのか、心を痛めているということがある。

 「コミュニケーションを取らなくなったでしょ。電車に乗ると、若い人は眠っているか、携帯電話を見ているか。あれではいい人間関係は生まれません。私はこの小説では、メールなどを一切、排除しました。そして映像のように情景を思い浮かべてほしいと思いながら書きました。特に思春期の子供を持っている親の世代に読んでほしい」

 今後も使命として文筆活動を続けるつもりだが、映画にもまた出たいと思っている。ちょっととぼけたおばあさん役で喜劇をやりたいが、「誰も脚本を書いてくれないんです」と、いたずらっぽい目で笑った。

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