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野間文芸賞 震災経て生まれた「土の記」の高村薫さんら会見

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野間文芸賞 震災経て生まれた「土の記」の高村薫さんら会見

野間文芸賞の高村薫さん、同新人賞の今村夏子さん、高橋弘希さん(右から) 野間文芸賞の高村薫さん、同新人賞の今村夏子さん、高橋弘希さん(右から)

 第70回野間文芸賞と第39回同新人賞(野間文化財団主催)が決まり、東京都内で先月、受賞者の記者会見が行われた。

 「私は途中で純文学に転向した人間。この世界にいてもいい、とお墨付きをいただいたようでほっとしています」と語ったのは『土の記』(新潮社)で野間文芸賞に選ばれた高村薫さん(64)。奈良で農耕生活を営む男の日常を追う受賞作では、東日本大震災も描かれる。阪神と東日本、この2つの震災を経て自身の「世界を見る目が大きく変わった」という。

 「それまで斜に構えて不満と懐疑の中で生きてきたが、小さなものや自分の足元に目が行くようになった。ただ生きていることがいとおしい。それだけのことを小説に書きたいという気持ちが外からやってきた」と執筆を振り返った。

 野間文芸新人賞を射止めたのは、今村夏子さん(37)と高橋弘希さん(37)。今村さんの受賞作『星の子』(朝日新聞出版)は、ある信仰がきっかけで変貌する家族の姿を中学生の娘の目でつづった。「急にぽんっともらったギフトという感じ」と今村さん。多様な解釈を呼びこむ、といった趣旨の選評を聞かされ、「すごい褒め言葉だと思う。私もどういうものを書きたいか分からず書いているので」と声を弾ませた。

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