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2010年世界文化賞受賞者の伊画家、エンリコ・カステラーニ氏が死去

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2010年世界文化賞受賞者の伊画家、エンリコ・カステラーニ氏が死去

エンリコ・カステラーニ氏(古厩正樹撮影) エンリコ・カステラーニ氏(古厩正樹撮影)

 カンバスの表裏にくぎを打ち込んで形づくる「光の絵画」で知られるイタリアの画家で、高松宮殿下記念世界文化賞受賞者(絵画部門)のエンリコ・カステラーニ氏が1日、死去した。87歳。イタリア主要メディアが伝えた。

 1930年、イタリア北東部カステルマッサ生まれ。ベルギー・ブリュッセルの王立美術アカデミーなどで彫刻と絵画、建築を学ぶ。帰国後はイタリアの前衛画家たちと美術誌「アジムート(方位)」を創刊。表現の場を求め、同名の画廊も創設した。

 59年、「レリーフ状の黒い表面」で、カンバスに渡した木枠にくぎを打ち込み、その凹凸で形づくる3次元の表現スタイルを確立。規則的な凹凸が光を当てた瞬間、陰影が無限に広がり、見る者の知覚と心理状態を映す作品は、絵画の新境地を開いた。以後、この主観を排した創作スタイルを守り続けた。

 作品の国際的評価は高く65年、ニューヨーク近代美術館で「応答する眼」展を開催。世界各国の展覧会に参加したが、70年代は政治的理由で創作を中断。2009年にニューヨークで個展を開いた。2010年に、第22回世界文化賞を受賞し、来日した。

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