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【からだのレシピ】遺伝性乳がん・卵巣がん症候群 患者へ医師の情報提供不十分

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【からだのレシピ】
遺伝性乳がん・卵巣がん症候群 患者へ医師の情報提供不十分

今年9月、メディアの前に登場した女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(AP) 今年9月、メディアの前に登場した女優のアンジェリーナ・ジョリーさん(AP)

 がん抑制遺伝子の変異が原因でがんを発症する、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)について、医師から患者への情報提供が十分に行われていないことが、製薬会社のアストラゼネカ(本社・大阪市北区)が行った調査で明らかになった。専門家は「担当医は自らの役割をより強く認識すべきだ」と話している。

 調査は今秋、遺伝性以外も含む乳がんや卵巣がんを治療中か治療経験のある患者154人が対象。遺伝性の乳がん・卵巣がんは全体の5~10%と比率は少ないが、遺伝性変異があると、発症率が高まる恐れがある。さらに乳がんの若年での発症や、乳がん・卵巣がんの両方を発症しやすい-といった特徴がある。

 適切な治療を受けるための基本情報となる、自身のがんが遺伝性かどうかについては、62%の人が「情報提供してほしい」と答えた。その一方、遺伝性かどうかについて、実際に医師から「説明があった」と答えた人は22%。HBOCの遺伝子変異は50%の確率で受け継がれるが、患者以外の血縁者への遺伝リスクについて説明を受けた人も29%にとどまった。

 調査を監修した、がん研有明病院の新井正美・遺伝子診療部長は「患者さんのニーズと現場の対応に大きなギャップがあることが明らかになった」とし、医師らによる積極的な情報提供の必要性を強調した。

 HBOCをめぐっては、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、遺伝子検査で変異が認められたことから、2013年に予防のための乳房切除手術を受け、大きな反響を呼んだ。

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