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【話の肖像画】作家・高樹のぶ子(1)70代の恋愛小説を書きたい

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【話の肖像画】
作家・高樹のぶ子(1)70代の恋愛小説を書きたい

高樹のぶ子さん(酒巻俊介撮影) 高樹のぶ子さん(酒巻俊介撮影)

 〈こんな70代になれたらステキだろう。いつまでも若々しく美しく、人気作家として現役バリバリの活躍。「性」をもった人間として老いたほうが健康なんですよ、なんてサラリとおっしゃる。数々の恋愛小説で読者の心をわしづかみにしてきた名手が、これから書きたいのは「70代の恋愛」という〉

 恋愛小説家ですか? どんなレッテルでもあったほうがいいし、いくつあってもいいですよ。ただし、私は恋愛小説の「決定版」を、まだ書いていないし、書かなきゃいけないと思っています。

 それは、70代の「切実な恋愛」ですね。70代、80代になれば、命のデッドエンドが見えてくる。生きていることに、哀(かな)しみと喜びが伴うことを、若いころの何倍も知っている。年齢を重ねてシワとともに自分の心に深いものが刻まれているんです。

 だから、これまでの(私の恋愛小説の)ように、ただ“イケイケドンドン”的に、感情を爆発させて、突き進み、花を咲かせる、というのではなく、哀愁の中で燃え上がる恋愛、人間の全インテリジェンスをかけたような恋愛、自己犠牲を伴った本当に深い恋愛…。それが、これからの私のキーワードになるだろうし、若い人には書けない恋愛小説が書けるのかな、と思っていますね。

 〈年齢を重ねながら、世代に寄り添った恋愛小説を書いてきた。かつて、40代、50代は結婚後の「第2次恋愛期」という言葉があったが…〉

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