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【編集者のおすすめ】実は全取引の94%が中国元…ビットコインの次はあるか『アフター・ビットコイン 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者』

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実は全取引の94%が中国元…ビットコインの次はあるか『アフター・ビットコイン 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者』

『アフター・ビットコイン』 『アフター・ビットコイン』

 仮想通貨のビットコインといえば、次々と最高値を更新し、「未来の通貨」とマスコミでもてはやされ、テレビCMでもよく見るようになりました。「面白そう」「儲(もう)かりそう」と興味を惹(ひ)かれる方も多いのではないでしょうか。

 日銀出身の決済システムの第一人者である著者は、「バブルは、素人が相場に入って来る頃に崩壊するもの」「すでに専門家の間では、ビットコインは仮想通貨としては〈終わった〉と見なされている」と言います。

 本書では「ビットコインは、上位1%が全体の9割を保有している」「通貨としてのユーザーはたった2%」「全取引の94%が中国元」「マイニングの7割が中国企業」等、巷(ちまた)で流布されているビットコインの自由でオープンなイメージとは全く異なる驚きのデータが続々明かされます。

 要するに、ビットコインは中国人を中心としたマネーゲームの対象と化しており、中国当局が規制を強化すると、今度は周回遅れで事情をよく知らない日本人が飛びつきはじめた状況だと言うのです。

 とはいえ、本書の読みどころは、題名の通り「ビットコインの次」にあります。著者はビットコインは否定しても、仮想通貨の中核技術「ブロックチェーン」は、世界を変える大発明と高く評価。「次なる覇者」を目指してゴールドマン・サックスや三菱東京UFJ銀行、各国の中央銀行が激しい競争を繰り広げている状況を活写します。

 知ると知らないでは大違い。新時代をわしづかみできる一冊です。(中島真志著/新潮社・1600円+税)(新潮社出版部・三辺直太)

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