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【話の肖像画】日系2世の政治学者ダニエル・オキモト(4) メールで求婚、64歳で再婚

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【話の肖像画】
日系2世の政治学者ダニエル・オキモト(4) メールで求婚、64歳で再婚

妻の道子氏と(提供写真) 妻の道子氏と(提供写真)

 〈米国の名門スタンフォード大学で日本の政治や経済を研究するダニエル・オキモト氏のもとには、多くの日本人学者や官僚たちが訪ねてきた。中曽根康弘首相の秘書官を務めた熊野英昭氏は1988年、中曽根政権が終わり、通産省(現経産省)に戻るまでの6週間、オレンジ色のポピーが咲き誇る同大のキャンパスで学んだ〉

 スタンフォード大の教授たちは、熊野氏を大いに歓迎し、議論し、彼から日本のことを学びました。彼はコンピューター産業の発祥地、シリコンバレーについて学びました。

 それにもまして、多くの人たちを印象づけたのは熊野氏の妻、道子でした。彼女は、大勢の人たちと友達になり、明るく、オープンでした。彼女は、スタンフォード大にとってみれば客人なのですが、私を含む大学の人たちを自宅のアパートに招いて食事を振る舞い、楽しませる名人でした。それが私たちの最初の出会いでした。

 以来、私が日本を訪問するたびに、英昭、道子の3人で会い、昼食や夕食を共にし、よき友人となったのです。道子とは、年も近く、気が合いました。

 〈ところが2004年暮れに熊野氏が急逝する。ここからは道子氏に語ってもらおう〉

 英昭の死は大変なショックでした。子供4人のうち3人はすでに家庭を持っていましたが、耳の聞こえない末娘の香英(かえい)を抱えてどうやって生きていこうか、と考えました。娘は精神的にも不安定でした。

 最初に思ったのは、自分が倒れたら、娘は果たして隣に住む、英昭の妹家族に知らせに行けるのか、ということでした。その日、その日を乗り切ることだけを考えていました。

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