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【男性不妊治療の現場から】「乏精子症」の男性は言った「ぼくと結婚しなければよかったね」加齢で精子DNA配列にミスも

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【男性不妊治療の現場から】
「乏精子症」の男性は言った「ぼくと結婚しなければよかったね」加齢で精子DNA配列にミスも

男性の年齢と相手の女性が妊娠するまでの期間 男性の年齢と相手の女性が妊娠するまでの期間

 「私は、やれるだけのことはやった。一度、泌尿器科で診察を受けてほしい」

 恵子さんは、36歳のとき、治療終結を視野に入れ正治さんに訴えた。

 正治さんは1カ月後、恵子さんには内緒で、泌尿器科を受診した。精巣の静脈が逆流してこぶ状になる精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)がみつかり、手術を受けた。その半年後、顕微授精の末、恵子さんは妊娠した。

 「手術と妊娠の因果関係は分かりません。でも、もっと早くに治療してくれていたら、と思ったことはあります」と恵子さんは打ち明ける。

社会の認知が必要

 ホルモンの補充、卵子の採取…。不妊治療は女性の精神的・身体的負担が大きい。恵子さんの場合、孤独感にもさいなまれた。

 不妊治療をしていることは、友達にも言えなかった。

 「友達に一度、少しだけ話したら、『そんなことまでしなくてもいいじゃない』『あきらめたときにできるっていうよね』って言われてしまって。この人たちに言っても、理解してもらえないなって、あきらめました」

 しかし、職場の同僚女性たちは、次々と妊娠・出産して職場に戻ってくる。

 「私が目指していたものを手に入れた人たちがいっぱいいる。それを見ているのもつらいし、素直におめでとうって言えないですよね」

 そして、「なんで私は妊娠できないんだろう」とさいなまれた。

 ゴールが見えない治療。金銭的負担も大きい。1回の体外受精には数十万円かかる。いつまで続けられるか分からない。

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