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心を打つ小さな声「生の根源をめぐる四つの個展」

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心を打つ小さな声「生の根源をめぐる四つの個展」

篠原道生「青い地球をみつめて」1991年 篠原道生「青い地球をみつめて」1991年

 もがき苦しみながら絵や詩を紡ぎ出した4人の画家の作品を紹介する展覧会「生の根源をめぐる四つの個展」が、栃木県の足利市立美術館で開かれている。

 会場で、ひと際目を引くのが強烈な色彩の篠原道生(1960~92年)の油彩画「青い地球をみつめて」。血を思わせる赤や深海のように深い青。平面的な画面には、大小さまざまな腕や足の断片が現れ、不気味で幻想的だ。篠原は多摩美術大学大学院修了後、画家になることを決意。アルバイトをしながら本格的に制作を開始したが、わずか32歳で自ら命を絶った。大きな手に導かれて遠い地に行ってしまったのか。痛々しく、寂しさが画面を覆う。

 ひっそりと詩作や作画に励んだのが山本陽子(1943~84年)だ。日大芸術学部を中退し、ビル清掃会社でパートとして働きながら活動。顔にこだわり、表情の変化をクレヨンで繰り返し描き留めた。大きく光る目は虚空を見つめているのか、どこかむなしい。明るい色調にもかかわらず、悲しく映る。自画像だったのだろうか。詩人の岡崎清一郎(1900~86年)の素朴な絵画や、10代から詩や小説を手掛けた春山清(1937~2016年)の無限の宇宙を感じさせる抽象作品など、研ぎすまされた精神世界を見せている。社

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