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【本郷和人の日本史ナナメ読み】福島正則と戦国の主従関係(下) 家康養女より三成の娘を選んだ殿様

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【本郷和人の日本史ナナメ読み】
福島正則と戦国の主従関係(下) 家康養女より三成の娘を選んだ殿様

 ぼくはともかく母親が大好きな子供でした。だから、仙台藩のお家騒動に取材した歌舞伎『伽羅(めいぼく)先代萩(せんだいはぎ)』の政岡(まさおか)が大嫌いでした。作中で政岡は幼い主君に乳母として仕えていて、幼君の毒殺を阻止するために、同年代のわが子を犠牲にするんですね。冷静に考えれば「義理と人情の板挟み」という歌舞伎のメインテーマに則した人物造形なのですが、母と子の絆は他の何よりも強いと信じていた幼い頃のぼくには、彼女の行動はとんでもなくショッキングで、受け入れがたかったのです。

 何でこんな突拍子もない話でコラムを書き始めたかというと、前回お話しした津軽家の満天(まて)姫に、似たようなエピソードがあるからです。彼女は福島正則の養嗣子・正之の妻でしたが、正之の早世後、一子を連れて実家に帰り、やがて弘前藩主の津軽信枚(のぶひら)と再婚しました。このとき彼女の子も弘前に迎えられ、藩の家老・大道寺直英(小田原北条氏の重臣、大道寺政繁の養子)の養子となり、大道寺直秀を名乗りました。

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