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【ノーベル賞】カズオ・イシグロ氏、文学賞受賞 日本的無意識、自然に浸透 巽孝之・慶応大学教授

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【ノーベル賞】
カズオ・イシグロ氏、文学賞受賞 日本的無意識、自然に浸透 巽孝之・慶応大学教授

5日、ロンドンで記者会見する英国人作家、カズオ・イシグロ氏(共同) 5日、ロンドンで記者会見する英国人作家、カズオ・イシグロ氏(共同)

 夏目漱石の没後100年を過ぎた今年、長崎出身にして、かつて漱石が文学を究めようと刻苦勉励したロンドンに暮らす日系イギリス人作家、カズオ・イシグロ(62)が、今年のノーベル文学賞に決まった。イギリス文学史上11人目の同賞受賞である。

 ただしノーベル財団は、大枠ではイギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)に属する作家であっても、現在は植民地主義以後の時代であるから、公式には出生地で分類する方針を採る(https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/lists/countries.html)。かくしてカズオ・イシグロへの授賞は川端康成、大江健三郎(82)に次ぐ3人目の日本作家への栄誉として記録される。

 わたしがイシグロ文学に最初に接したのはブッカー賞受賞作『日の名残り』(1989年)であった。デビュー作は王立文学協会賞受賞作『遠い山なみの光』(82年)で、同作品とそれに続くウィットブレッド賞受賞作『浮世の画家』(86年)の2作は日本を舞台にしていたから、もしもリアルタイムで読んでいれば、80年代当時のバブル前夜に流行していたジャパネスク小説の一環として読み流してしまっていたかもしれない。

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