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【話の肖像画】コメディアン・小松政夫(2) 日本全国「モーレツ社員」 セールスマン時代に学んだ気遣い

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【話の肖像画】
コメディアン・小松政夫(2) 日本全国「モーレツ社員」 セールスマン時代に学んだ気遣い

小松政夫さん(飯田英男撮影) 小松政夫さん(飯田英男撮影)

 〈生家は博多祇園山笠で知られる櫛田神社の近く。熱しやすく負けん気が強い「のぼせもん」。役者になりたくて兄が住む横浜へ向かったのは昭和30年代半ば、高度経済成長の真っ最中だった。いくつかの仕事を経てコピー機の営業マンになり、その売り込み先に自動車販売会社があった〉

 劇団の試験を受けたんですが、入るのに必要なお金が払えなくて断念。すし屋、市場のマグロ問屋、ハンコ屋などいろんなアルバイトを転々、初めて正社員として採用されたのがコピー機のセールスマンでした。「明日まで置いておきますので試しに使ってみてください」と飛び込み営業を掛けるのです。その一つに横浜トヨペットがありました。

 ちっちゃいころからひとり芝居や一発芸をやって周りを笑わせていたから、営業トークなんてお手の物。ボクは総務課へ居座って、みんなにお茶を配ったり、若い女性の社員にアラン・ドロンの写真をコピーしてあげたり…。そんな様子をじっと見ていたのがヤリ手で知られる営業部長でした。まだ30代半ば。会うなり「空手チョップだよーん」と言いながらボクののど元へ水平チョップですよ。レストランに連れて行かれて「お前が気に入った、オレのところでクルマを売れ」。スカウトでした。

 〈日本中ががむしゃらに働き、努力すれば給料が上がり、マイカーやマイホームを買えた時代。営業部長は時代を象徴するようなモーレツ社員だった。年上の部下を怒鳴り上げ、電話機で殴りつけることも。社員には毎月、厳しいノルマが課された〉

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