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【日本再発見 たびを楽しむ】御誕生寺

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【日本再発見 たびを楽しむ】
御誕生寺

広い境内でのびのびと過ごす猫たち(尾崎修二撮影) 広い境内でのびのびと過ごす猫たち(尾崎修二撮影)

 北陸自動車道の武生インターチェンジから車で約10分。風光明(めい)媚(び)な田園が広がる山間に平成14年に建立された曹洞宗の禅寺「御(ご)誕(たん)生(じょう)寺(じ)」(福井県越前市)は、通称「猫寺」として親しまれている。

 境内には、わけあって集まってきた約30匹の猫が暮らしており、修行僧らが飼い主を探したり、けがや病気の手当てを行っている。

 猫寺となったのは、建立直後、段ボールに4匹が置き去りにされていたことが始まりだ。ふびんに思った住職が水やエサを与えていくうちに10、20匹と増え、一時は約80匹にもなった。同時に、次々に猫が捨てられるという心ないケースが増え、むやみな繁殖を防ぐためにも避妊手術などを行うようになり、現在の約30匹に落ち着いた。

 猫を飼育していくうちに、20年頃から地元を中心に「御誕生寺に行くと癒やされる」と評判になる。その噂は徐々に広まって、今では県内外から年間約3万人が訪れるようになった。

 副住職の猪苗代昭順さんは、多忙な日々に「猫の手も借りたいくらい」と笑う。譲渡会を開くとほぼ100%、飼い主が見つかるので、“縁結びの寺”としても認知されはじめ、若いカップルが訪れるようにもなったという。

 すべての猫に名前と首輪をつけ、1匹1匹に深い愛情を注ぐ。猪苗代副住職は「(猫の)表情は穏やかで、人に対してもありのままの姿を見せます」と話す。癒やしの猫寺が、人と猫の縁をつないでいる。

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