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【アート 美】東郷青児展 型破りな様式美の軌跡

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【アート 美】
東郷青児展 型破りな様式美の軌跡

「超現実派の散歩」1929年 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館 「超現実派の散歩」1929年 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館

 モダンで甘美な女性像で昭和の時代に大衆的な人気を集めた画家、東郷青児。生誕120年を記念した回顧展が、東京・新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で開かれている。

 若くして才能を発揮し、日本近代美術史に刻まれる革新的な作品を残した東郷。19歳のとき、公募展の二科展に初出品した「パラソルさせる女」は最高賞の「二科賞」を受賞。人体や事物の形は解体され、キュビスムとも未来派とも評され、日本の前衛絵画の最初期の作品の一つに数えられている。

 大正10年、フランスに留学し7年間を過ごした。ちょうど「狂乱の時代」と呼ばれ、第一次大戦後の平和を謳歌(おうか)していたフランスには、世界中から芸術家たちが集まっていた。東郷はパブロ・ピカソ(1881~1973年)や藤田嗣治(1886~1968年)らと交流した。

 このころ、パリで制作したのが代表作「サルタンバンク」だ。手や顔といった人体の部分が単純化され、デフォルメされている。サルタンバンクとは道化師や軽業師などの大道芸人のこと。重い色彩の中に、そこはかとなく哀愁が香る。東郷は「この絵が出来上がった時は天下を取ったように嬉しかった」と文章に残している。自信作だったため、アトリエにピカソを呼んで見てもらったという。

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